一本だたら(いっぽんだたら)

日本の和歌山県に伝わる妖怪、一本だたら。

当サイトの記念すべき幻想生物第1号です。

有名どころの河童や鬼を差し置いて、何故コイツを選んだのかは自分でもよくわかりません。

気づいたら「一本だたら」のページを作っていた。

な・・・何を言ってるのか(ry

 

和歌山県の山中に現れるというこの一本だたらですが、実は超レアな妖怪です。

何故ならコイツが現れるのは一年に一度、12月20日のみなのです。

倒したらレアアイテムでもドロップしそうですね。

 

和歌山県と奈良県にまたがる果無(はてなし)山脈の辺りに住む人々は、この日を「果ての二十日」と呼び、決して果無山脈には近づかなかったそうです。

ちなみに出現日が12月20日である理由は不明です。

まあ、その理由を知ろうと山の中に入った人はそのまま行方知れずに・・・

なったかどうかは定かではありませんが。

 

その登場機会の少なさ故か、一本だたらを描いた絵というのが存在せず、その真の姿は謎に包まれています。

わかっているのは一本足であることと一つ目であること。

共通している特徴はこの2つだけで、あとの特徴は地方によって大きく変わっている為、とてもじゃないけど一言では表せません。

腕はあるのか?口はあるのか?好きな食べ物は?

全て不明です。みなさんのご想像におまかせするしかありません。

 

このページの一本だたらのイラストは、奈良県吉野郡の松本工房さんの所で売られている民芸品、「一本足だたらこけし」をベースに、水木しげるさんがデザインした一本だたらの特徴を付け加えてアレンジしたものです。

一本だたらが必ずしもこの姿であるとは限らないのでご注意ください。

 

 

 

さて、皆さんの中には疑問に思っている方もいらっしゃるでしょう。

 

「一本」はわかるけど、「だたら」ってなんだ?

 

・・・と。

実は「だたら」とは「たたら」のことを意味するのですが、ではたたらとはなんなのか。
ここでタタラせいてつじょとか多々良小傘とかを思い浮かべてしまったあなた。

実はいい線いってます。

 

たたらとは昔日本で行われていた鉄を得る方法のことで、ようは鍛冶です。

「もののけ姫」にでてくるアレを思い浮かべて下さればOKです。

たたらは、片方の足で風を送りながら片方の目で火の加減を見る、という作業を三日三晩繰り返し行うのですが、その際、仕事に使っている片方の目と足は常に熱風にさらされます。

それを何年もやっていたらどうなるか・・・

当然、片足はボロボロになり、片目は潰れてしまいます。

その姿が巷で噂の一本足の妖怪にそっくりだったため、その妖怪を「一本だたら」と呼ぶようになった・・・という説があります。

 

あくまでも一説です。確定ではありません。

ただ、鍛冶関連の幻想生物は総じて一つ目や一本足であることが多いので、この説はほぼ正解であると言えるのではないでしょうか。

「妖怪大戦争」でも一本だたらは鍛冶職人でしたし。

あの映画の一本だたらさんはイケメンすぎてヤバイです。

いやあ、悪霊にされなくて本当に良かった。

関連キーワード

幻想生物

タテクリカエシ

(奈良の伯母ヶ峰山の一本だたらと同一だという説がある)

 

猪笹王

(奈良の伯母ヶ峰山の一本だたらの正体だという説がある)

 

カシャンボ

(地方によっては一本だたらと呼ばれることがある)

 

歴史

源義経

(山に放たれた彼の愛馬が一本だたらに化けたという説がある)

 

神話

天目一箇神

(この神が堕落した姿が一本だたらだと考えられている)

 

用語

妖怪

 

カテゴリ

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